法律全般

ビールの値段が変わる!?酒税改正の3つのポイント

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平成28年12月に発表された平成29年度税制改正大綱に酒税法改正に盛り込まれ、ビール系の税金がすべて一本化されることとなりました。
普段の生活に大きな影響が改正ですね。

ビール等の酒税は一本化

ビール系飲料の税額には、現在かなりの差があります。一般的な350ml缶ですと、現在の酒税はビール77円、発泡酒47円、第3のビール28円ほどです。同じ350ml缶でも、税額がこれだけ違うのです。ビールの税額は第3のビールの約3倍にもなります。

これが最終的には1缶54.25円に統一される予定です。

まず、平成32年10月にビールの税額を下げ、第3のビールの税額が上げます。その次に、平成35年10月、ビールの税額をさらに下げ、第3のビールの税額もさらに上げます。このときに発泡酒と第3のビールの税額が同じになります。最後に、平成38年10月にビールの税額を下げ、発泡酒と第3のビールの税額を上げ、ここで3種類の税額が一本化完了されます。
合計、約10年もの月日をかけて一本化がされることとなります。

 

変わる酒類の定義

ビール系飲料は大きく「ビール」「発泡酒」「第3のビール」の3種類に分かれます。これらは、酒税法で定義が定められているのですが、今回は税額のみならず、この定義も段階的に見直されることになりました。

まず、平成30年4月に、ビールの麦芽比率要件を現行の67%以上から50%以上に緩和し、副材料の範囲に果実や一定の香味料が追加されます。そして、平成35年10月には、発泡酒にホップを原料とするものや、ビールに類似する苦味価、色度のものも加えられることになります。つまり、発泡酒に第3のビールも含まれてくるような形となります。

これによって、今までは海外ではビールといし販売されている商品でも、日本では発泡酒扱いであった、輸入ビールが日本でもビール扱いされる可能性があります。
例えば、ベルギーの「ヒューガルデン・ホワイト」や「ヴェデット エクストラ ホワイト」には、コリアンダーやオレンジピールが入っており、「ベル・ビュー クリーク」は、さくらんぼが入っていたため発泡酒の扱いでしたが、この改正によって今後は正式にビールとして扱われるようになるかもしれません。

ビール業界への影響

税額の改正にずいぶんと時間をかけているようにみえるかもしれませんが、税率の変更は我々の生活だけでなく、製造側の企業にとっても大変なことです。商品の生産や商品開発など経営方針に多大な影響が出るので、十分な経過期間をおいた上で、段階的な措置をしているのです。

それでは、この酒税法改正はビール業界にどのような影響を及ぼすでしょうか?

酒税の負担を抑えて、安くおいしいビールを売ることで売り上げを伸ばそうとする、メーカーの努力によって現在のビール系飲料のバリエーションはかなり多彩なものとなっています。
たとえば、キリンであれば発泡酒の「淡麗極上」と第3のビールの「のどごし生」と、通常のビール以外にも非常に有名なブランドが2つあります。今回の酒税の一本化で価格的な魅力が薄れる中、それぞれのブランドにこれまで同様の力を入れることは難しくなり、いずれかのブランドに一本化して、コスト削減と効率化を図っていくことになると思われます。
また、海外ビールのようにあらたな副材料を用いたあらたなビールブランドを打ち出すメーカーも出てくるかもしれません。
そうなると、ビール業界の商品構成が大きく変わることになるでしょう。

通常のビールの値段が下がり、新たな商品が出て来るようになってくるとビール業界も価格競争ではない形で盛り上がってくるかもしれません。
そうなってくれば、今回の酒税の改正は成功といえそうです。今後のビール業界の動きを注視していきたいと思います。